2004.09.30

Push-to-Talk

米国から始まった「Push-to-Talk」と言う携帯電話関連のサービスがあるらしい(「トランシーバのようなサービス」と紹介される事もあったのため、私はPHSのトランシーバモードと同様の(つまり端末同士が直接電話を送受信して通話する)機能の事かと思っていたのが、まったく違うサービスであった)。

要するに、トランシーバのようなボタンを「押して話す」形で通話する方式を言うらしいのだが、これだけなら従来の携帯電話より不便になっただけでレトロな感じはするが特にメリットは感じられない。参照したサイトによれば、

また、1対1のやり取りだけではなく、グルーピングした複数の相手との同時接続も可能。この場合は、ボタンを押している端末からの音声が、残りの全端末に送信される。ちなみに、データ遅延の問題があるため、同時に2人以上の音声を送ることはできないようになっている。

とあるので、多者通話ができるらしい。これは大きなメリットであろう。実体としては(トランシーバのような)半二重の無線通信を携帯電話+VoIPでエミュレートしているらしい。しかし、そもそも何故「Push-to-Talk」なのであろうか。

今の電話は二者間の通話を前提として送話と受話の通信路を完全に分離(二重化)することで同時通話を実現している。実は同時通話の代償はかなり大きい。まず、受話器を耳に密着させて音が送話器に漏れないようにする必要が生じる。受話器を放しても通話できる電話機も存在するがエコーキャンセラーのような装置を必要とし値段が高くなる。同時通話をあきらめて話す時にボタンを押させる事にすれば受話器を耳につけて通話する必要はなくなる。その他に、遅延の問題がある。現在の電話のシステムでは送話側の音声が受話側に多少漏れる。もし通信路の遅延が大きくなれば自分の声が遅延した状態で耳に届き非常に話しにくくなる(これを避けるために遅延の多い衛星回線ではエコーキャンセラーを用いて漏れを小さくしている)。最初から同時通話をしないのであれば、自分が話している間は受話を行わないため遅延の問題はそもそもない(IP網も時として遅延が発生する性質を持っている)。

つまり、当たり前のように考えていた電話の同時通話のシステムは実はかなり代償(コスト)の高いシステムである。無線のトランシーバのように同時通話をあきらめて「Push-to-Talk」にするだけでもコスト的には大きなメリットがある。しかし、利用者には「多者通話」のような具体的なメリットを見せたほうが良い(コストが安いというのみでは単なる簡易版のサービスととられてしまい訴求しない)。そこで「トランシーバ」のメタファが重要になる。あたかも無線のトランシーバを扱っているかのようなサービスが携帯電話で実現できる。もちろん実際には携帯電話の機能を使っているだけなので利用者には無線技術者の免許は要らない。訴求しそうな感じである。

ここでエミュレートしている無線機というのは同一の周波数(チャネル)を複数の無線機で共有して通信する形態である。1チャネルあたり同時には1人しか話すことができない(同時に話すと混信して通信できなくなる)。受信は全員が行っている。当然、話す際には他に話している人がいない事を確かめてから話し始める事になる。既に話している人がいる場合には話が終わるのを待ってから話す。勘のいい方なら何の話かお気づきかもしれないが、これはLANの基本原理の一つであるCSMAとそっくりだ。実はCSMAはアロハシステムと呼ばれる無線システムが元になっていて、アロハシステムは、この「トランシーバ型」の無線とまったく同じモデル(をコンピュータが行うもの)なのである。

「Push-to-Talk」は無線LANの上でも使えるらしい。遅延が予測しにくいIP網との親和性を考えると良い取り合わせと思える。ところで、無線LANはLANなのでCSMAの一種であるCSMA/CAという通信方式をとっている。その上で、Push-to-Talkというサービスが動き、そこでは人間がボタンを押す事で一番原始的な形の「CSMA」を行っている。何か先祖返りのようで興味深いのは考えすぎだろうか。

2004.06.28

SPAM メールフィルタ(その4)

まずは、下表を御覧いただきたい。

差出人題名受信日時サイズ
kov@trode.redhat.comsoftware06/28 22:561.9 KB
nov@chollian.netsoftware06/28 22:061.8 KB
gordon_1971@icf.llnl.govsoftware06/28 21:081.9 KB
uphoff@seasip.demon.co.uksoftware06/28 20:091.9 KB
arjanv@databuilt.comsoftware06/28 19:181.9 KB
sqltech@astem.or.jpsoftware06/28 18:281.9 KB

この表は 6/28 に届いた SPAM メールのうち、フィルタされなかったメールの一覧である。御覧のように全て同じ題名がついている。題名だけでなく、内容も全く同じである。

Microsoft Windows XP Professional 2002
Retail price: $270.99 Our low Price: $50.00 You Save: $220.00
 
Adobe Photoshop 7.0
Retail price: $609.99 Our low Price: $60.00 You Save: $550.00
 
Microsoft Office XP Professional 2002
Retail price: $579.99 Our low Price: $60.00 You Save: $510.00

このような怪しげな内容で始まっている。違っているのは差出人ばかりである。このメールがほぼ1時間間隔で送られてくる訳であるのだが、残念ながら学習型フィルタは今のところ「学習」してくれるそぶりはない。

内容が同じなので手動でフィルタを作る事は容易そうだが、もう少し様子を見てみるつもりである。

7/11 時点でどうにか SPAM メールと認識してくれるようになった(7/12 追記)。

2004.06.24

人体キーボード

今までにも、バーチャルキーボード携帯式キーボードを紹介してきたが、CNET Japan に面白い記事が載っていた。Microsoft は身に付けたデバイス同士で通信を行う方法の特許を取得したということである。これによると

さらにMicrosoftは、人体の物理抵抗を利用して、皮膚の一部にバーチャルキーボードを作ることも可能だと述べている。

とのこと。人体をキーボードにするという発想は面白いですね(今のフルキーボードの形を実現するのは大変そうですが)。

2004.03.12

SPAMメールフィルタ(その3)

以前の記事で@niftyの迷惑メールフォルダの「学習型フィルタ」について述べた。最近、@niftyでは迷惑メールフィルタの「学習状況」が表示できるようになっている。その中に過去 90 日間のメールの受信数をグラフ表示する機能があったので、以前のデータを比較してみた。

まず、以前の記事での件数は

日付 (フィルタリングされた件数 / SPAMメール件数 / 誤フィルタリング件数)
1/21 (53/53/0)
1/22 (23/48/0)
1/23 (50/63/0)
1/24 (60/65/0)
1/25 (71/75/0)

となっている(手作業での集計)。これに対して、@nifty の学習状況の確認ではメールの受信数が相対値でグラフ表示される。相対値ではあるがかなりの精度で表示していることがわかったので、グラフから絶対値を求めてみた。

グラフから解ったことは、SPAMメールフィルタは、「学習型フィルタ」と「基本フィルタ」の二重構造になっているということである。グラフではそれぞれ個別の数値がわかる。具体的にフィルタリングされた件数を見てみると

日付 (学習型フィルタ件数 / 基本フィルタ件数)
1/21 (28/25)
1/22 (24/22)
1/23 (33/24)
1/24 (31/28)
1/25 (49/23)

であることが解った。1/21 は私がとったデータと完全に一致している。1/24 と 1/25 は1件ずつ違っているが、集計のタイミングにずれがあることを考えると一致していると思っていいだろう。問題は 1/22 の件数で、私の数えた件数(23件)と@niftyのデータ(46件)が大幅にずれている。私の手作業の集計が間違っていないとすれば、以前の記事で推測した、「1/22(木) に」「何らかの障害」があったということも考えられる。

2004.01.26

SPAMメールフィルタ

前回では触れていなかったが、SPAMメールの対策のうち、「フィルタ」による方法は完全な解決にはなり得ない。

SPAMメールフィルタとはSPAMメールが持つ統計的な性質に着目してSPAM以外のメールと区別する手法だと考えられるが、対象が自然現象ではなく(フィルタリングさせたくない意思を持つ)人間の送信したメールである以上、フィルターの裏をかく試みが必ず行われ頼るべき統計的性質が変化し失われていくはずだからである。原理的にSPAMメール送信者とフィルタ(の実装者)のイタチごっこにならざるを得ない。より根本的な対策としては、法律などの制度(と罰則)による対策と、プロトコルの改定(追加)による技術的な対策の両方が考えられ、恐らく両方とも必要となるであろう。

しかし、既にSPAMメールの被害にあっている個人にとって即効性を持つ対策としては、今のところSPAMメールフィルタを実施するくらいしか手がないのも事実である。WIRED NEWSの記事「弊害も多くなってきたスパムフィルター」によれば、米国ではSPAMフィルタによって一般のメールもフィルタリングされてしまう事態になっているらしい。これもSPAMメール送信者とのイタチごっこによって一般のメールとの性質の違いが曖昧になれば当然起こる事態である。

すなわち、汎用のフィルタはSPAMメール送信者によって解析され無用化されていくことが避けられない。この事態を避けるためには、利用者が個人毎にSPAMメールフィルタを実装することが考えられるが、SPAMメールに対する知識とフィルタ実装のスキルが要求されるため多くの人にとっては役に立たない方法であろうし、いくら個人毎にフィルタを作ったとしても利用できるSPAMメールの性格は似たようなものになる(その結果、いつかはメール送信者によって回避される)だろう。したがって「フィルタ」は完全な解決にはなり得ない。

しかしながら、私の場合は受信するSPAMメールのほとんどが英語(日本語以外)なので、日本語のメールのみを普段やりとりしている限りSPAMでないメールを誤ってフィルタリングする問題は顕在化していない。いつかは役に立たなくなると解っていても、今はまだ利用可能な対症療法としてSPAMメールフィルタは存在している。

ここで話を@niftyの迷惑メールフォルダの「学習型フィルタ」に戻す。先に述べたように、「フィルタ」は完全な解決策にならないのであるが、ある程度の効果は期待できる。まず、目標を明確にしておこう。

私の場合はSPAMメールは日に50通ほど来る。SPAMメール以外のメールは5通ほどだからSPAMメールが10倍来ている事になる。心情的にはSPAMメールと他の一般のメールが同じくらいの数にはなって欲しい。したがって、50通のメールのうち、45通をフィルタする(つまり、全SPAMメールのうち90%をフィルタリングする)ことを目標にしよう。排斥率(フィルタリングしたメールの数÷全SPAMメールの数)が90%以上という目標である。

もう一つ目標が必要になる。誤って一般メールをSPAMメールとしてフィルタリングしてしまう数である。これも2日に1通くらいは許せるとしてみよう。目標は誤排斥率(誤ってフィルタリングしたメールの数÷全SPAMメールの数)が1%以下という目標になる(尚、排斥率、誤排斥率は拙稿のための造語である)。

目標を明らかにしたところで実際の成績をみてみたいのだが、残念ながら 1/20(火) 以前のデータは保存していないため開示することができない。1/16(金) に使い始めてから順調に学習がすすんで排斥率があがっていたのであるが、何故か1/22(木) に急にSPAMメールフィルタの成績が下がる現象が起こった(まるで学習結果がリセットされたようで、何らかの障害により学習結果が失われたか、過負荷のためフィルタを適用させずにメールを受信したなどの原因を考えたが正解はわからない。単にSPAMメールの性質が変わっただけというのが一番ありそうな説明なのだが)。以下のデータではその辺りの感覚も含めてご覧いただけると思う。

日付 (フィルタリングされた件数 / SPAMメール件数 / 誤フィルタリング件数)
1/21 (53/53/0)
1/22 (23/48/0)
1/23 (50/63/0)
1/24 (60/65/0)
1/25 (71/75/0)

誤排斥率は全て0%で目標を完全に達成している。排斥率は1/21と1/24以降はかろうじて達成している。このまま学習が進んで排斥率を維持してくれるのか、SPAMメール業者の逆襲により役に立たなくなるかは不明だが、今後も状況が変わるごとに報告していきたいと思う。

2004.01.16

迷惑メール学習型フィルタ

@niftyの迷惑メールフォルダの「学習型フィルタ」のサービスが開始された。試しに使ってみているのだが、なかなか良い感じである。

今まで、Mac OS XのMailの迷惑メール機能を利用していたのだが、外出先からもメールを読むためにWebメールの機能も利用していた。Mac OS Xの迷惑メールフィルタの機能ではサーバにあるメールまでは消してくれないので、Webメール上で手動でSPAMメールを消していたのだが、最近では1日に50通くらいSPAMメールが来るのでかなりの手間になっていた。

@niftyの学習型フィルタによってOS XのMailから見ると二重にフィルタがかかっているような状態になっているわけだが、何せSPAMメールが大量にくるので二重くらいでちょうと良いような感じである。OS XのMailは迷惑メールに分類した場合でも新着メールの受信音は鳴るので、その意味でもOS XのMailの前段のフィルタは有り難い。

今のところ使いはじめて日が浅いのでフィルタを透過してくるSPAMメールも多少あるが、学習によってどの程度精度が上がるかは今後様子を見て行きたい。

2003.12.09

PSX再考

最近、PSXが発売されたことで仕様が公開された。その内容に従って以前の記事を再考してみよう。

比較するものは、のFAQである。

関心のある部分はゲームをしながらの録画であるので、抜き出して比較してみる。

旧:
Q. ゲーム中に予約録画は実行できますか?
A. 可能です。

新:
予約した録画は、ゲーム中でも実行できますか?
事前に予約録画をしているテレビ番組は、ゲーム中でも録画可能です。

旧:
Q. HDDを使用するゲームをしながら録画ができますか?
A. できます。

新:
ハードディスクを使用するゲームをしながら、ハードディスクに番組を録画することはできますか?
できます。

ほとんど同じ表現だがよく見ると微妙に違う。

まず、ゲーム中の録画はあからじめ予約しておかなくてはできないようだ。また、ゲーム中に録画できるのは番組のみであるらしい。これでは「セーブできないゲームの最中に番組の録画を始めたくなったとき」に困るだろう。それからゲーム画面そのものの録画はできないらしい。ゲーム画面が録画できないのは私にとってはかなり致命的である。

どうやら、PSXを購入するのはまだ時期尚早のようである。

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