2003.11.14

音質評価

ハイエンドオーディオの世界では、ケーブルひとつで音が変わるということである。私の学生の頃はディジタル技術は発達しておらず「そうなんだ」と憧れたものである(とても手が出せる価格ではなかったですが)。

時代は変わってディジタル技術がハイエンドオーディオの世界をも侵食するようになった。それから不思議な話を聞くことになる。いわく「ディジタルでもケーブルを変えると音が変わる」。

確かにいくらディジタル伝送だからと言って、エラーは発生するだろう。だから可能性としてはケーブルを変えると音が変わることはあり得る。しかし、現実問題として、短時間の試験中にエラーが発生するような規格で信号を伝送しているのだろうか。コンピュータの世界であれば完全な欠陥規格である。

オーディオの世界では欠陥規格がまかり通っていると考えるのは、どう考えても理屈が合わない。そもそも、そんなに高い伝送レートを実現する必要はない。マージンを充分に取ることが可能である。あえて危険を冒して欠陥規格を作ってしまう必要はないのである。

では、なぜケーブルを変えると音が変わるのか。私は理由が思いつかなかった。音が変わるとおっしゃる方は多いので全否定するつもりはないのだが、主観が入っている可能性を疑っている(趣味である以上主観が入っていていいのであるが)。

扱っている問題が人間の聴覚の問題である以上、主観が入るのは当然である。しかし、当人にとってはともかく、第三者を納得させるには思い込みを除いた客観的評価が必要である。通常、このような場合はブラインド試験が用いられ、被験者に試験対象を知らせずに評価を行うことで客観性が確保される。評価者の段階で思い込みが入ることを防止するためには二重ブラインド試験が必要になる(薬の開発など、生き死ににかかわる問題では二重ブラインド試験が必須のようだ)。

繰り返すが、オーディオの問題は趣味の問題であり当事者が納得していれば他人がとやかく言うべき問題ではない。ましてや生死にかかわる問題でもない。しかし、ディジタル伝送のケーブルを変えると音が変わるという問題をブラインド試験で確かめた例は寡聞にして知らないので、「私は」信じないことにしている。

ケーブルの問題に限らず、製品の音質評価でブラインド試験を使っている例は見ないように思う(標準技術などの技術評価では行われているようです)。確かにブラインド試験を行うのは経費かかるので採算があわないということはあるだろう。しかし、ブラインド試験を行うと音質が同じことが証明されてしまうからやらないのではと勘ぐってしまうこともある(学生時代の憧れがなんだか色あせてしまったようで悲しいのですが)。

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